燻製器用温度調節器の製作2013年04月17日 22:43

燻製ネタは続くよ。

ヒーター直結改造でパワーアップした自家製燻製器ですが、その後も大活躍しております。
同じ丸型の燻製器を持っていた会社の同僚からも同じ改造を頼まれまして、じわじわと電気燻製器の人気が高まっている(??)今日この頃であります。

あれから毎週末はいろんな物を燻製にして楽しんでおりますが、先日は同僚オススメのゆで卵を燻製にしてみました。


何度かやっているうちに、火力(温度)が高すぎるのはなんとなく分かってきましたので、熱が直接当たらないように100円ショップで入手した穴あきボウルとザルに乗せています。
焦げる事はありませんが、皮?がとても硬くなってしまいました。
温度計は160℃以上になっていましたので、明らかに温度が高すぎるようです。
ま、硬くても美味しいので私的には全然オッケーなんですけどね。



そんな無謀な燻製を繰り返しているうちに、フタの裏側の塗装が剥がれ落ちてしまいました。
まぁ、アマゾンなどでこの製品のレビューを見ると、ピンクの塗装が落ちたとか溶けたとか書いてありましたので、いずれはそうなるだろうと思ってはいましたが・・・。

塗装が剥がれてしまいますと、必ずサビが発生します。
いや、速攻で発生しました。
錆びが混ざった蒸気などが食い物の上にポタポタ落ちる・・・
そんなイメージをリアルに想像してしまうと、どうしたものかと・・・・・

温度が高すぎるのは間違いありませんので、温度調節器を作る必要が出てきました。
しかし、いざ作るといっても、どうしようかなと。
いつものように電子部品を集めて基板から・・・そうですねぇ、温度センサとコンパレーターICを組み合わせれば比較的簡単な回路で温度制御が出来るようになります。
しかし、この方法では大雑把な制御しかできませんので、オーバーシュート(温度が上昇し過ぎる)などが発生してしまいます。
そして何より、性能に見合わず費用もそれなりにかかってしまいます。

今回の用途に見合った性能の温度調節器を作るとなると、マイコン制御は不可欠です。
マイコンボードとパソコンを使った高度なプログラミング技術が必要になりますので、中卒の私にはまず不可能ですし、出来たとしても部品代だけでもかなりの金額になってしまいます。

そこで、産業用の温度調節器を使ってみる事にしました。
バイメタル方式や単純なコンパレーター方式では到底実現できないような緻密な温度制御が可能になります。
温度もデジタル表示で設定できますし、PID制御で安定性も抜群です。
何よりユニット化されていますのでドライバー1本で配線するだけという手軽さ。
産業用ですので、性能と扱いやすさと高い耐久性が当たり前のように備わっています。

と、まぁ、性能的には申し分ない産業用ですが、問題は価格。
だいたい2万円以上します。
ですが、ヤフオクを見てみると・・・新品が3000円くらいで出ています。
多分、追加機能(イベント出力や通信機能など)の選定ミスでの出品でしょう。
今回の用途なら追加機能は不要ですし、この価格なら自作よりも遥かに高性能で、しかも安く済みます。

という事で、ポチッっとな。


今回は山武(azbil)のSDC15シリーズをチョイスしました。
山武を選んだのは、たまたま出ていたからで、とくに拘りはありません。
オムロンのE5やパナソニックのKT4など、性能的にはほぼ同じでしょう。

選ぶ時の条件は

●K熱電対入力対応
●電源電圧AC100V(100-240V)
●SSR用電圧出力タイプ

以上の条件を満たしていれば、メーカー問わず使えるでしょう。
私は「SSR用の電圧出力」を選びましたが、この他に「リレー出力」という物もあります。
リレー出力でも使えますが、SSRのような高速で緻密な制御が出来ないのと、例えば中古品を入手した場合は内部リレーの劣化状態がわからないので一般的にはSSR用を選んだほうが無難です。

SSRも新品は結構なお値段ですが、これまたヤフオクなら1000円くらいから出ています。
秋月のキットを使うもの良いでしょう。
600ワット程度の家庭用コンロなら容量10Aもあれば充分でしょう。




ざっと部品集め。
箱はホームセンターの電材コーナーにあるプールボックスをチョイス。
樹脂製ですが価格も手頃で強度も充分。樹脂だから加工もラクチンです。
SSRのヒートシンクは犬印のミニコンポに付いていたのを流用してコストダウン。
安全のため、10Aの漏電ブレーカーも用意しました。
それでは製作開始!



ハンダ付けは不要!
ユニット化されているのでそれぞれ電線で繋ぐだけ!
おかげでこんなにシンプルです。



温度を計測する熱電対です。
これも産業用・・・と行きたいところでしたが、丁度良い出物が無かったので秋月のをチョイス。
ステンレス管でこの価格は嬉しいのですが、耐久性はそれなりのようです。
ケーブルはより線ではなく単芯なのでちょいと不安。
アウトドアな用途には少々酷ですかね。



そこで、絶縁キャップを用いて熱電対用の耐熱温度補償線に交換しました。
今回、唯一ハンダ付けをした部分ですね。
これなら少々ラフな扱いでもビクともしないでしょう。



完成です。
ケース加工が一番大変だったかな。
外での使用になるので、長めのゴム足を付けときました。
横の露出コンセントが、ラブリーでしょ(^^;



背面にはステーを付けて電源ケーブルをぐるぐると。
熱電対も本体に固定できるようにしました。
この手のアイテムは使い終わると片付けるのが面倒になっちゃって、それが原因で痛めちゃったり壊しちゃったりするもんなんですよね。
そうならないように、収納機能も万全にしました。



塗装が剥がれてしまったフタは、キッチンにあったステンレスのボウルが丁度良い大きさだったので改造して取り付けました。
ステンレスの蝶ネジで脱着可能にしましたので、手入れも簡単です。

で、代わりに新品のボウルを購入してキッチンに戻すと。
無理なく家庭円満です。


早速、前回改造した燻製器を接続して使ってみます。
まず最初にオートチューニングを実行して、この改造燻製器の特性に合わせます。



20分くらいかな、オートチューニング終了。
上が現在の温度、下が設定温度。お見事!!
民生用としては究極レベルの温調器の完成です。

気になる制作費は、手持ちの部品を活用したのでお安く済みましたが、全部購入で揃えると1万円くらいになってしまうかもしれません。
でも、1万円でこの性能の温調器が手に入ると考えれば、お得なんじゃないかと。
この先、道を誤って陶芸の世界に迷い込んでも、電気炉の温調器としても十二分に使えます。

山武(azbil)の温調器を使うのは今回が始めてでしたが、ダウンロードで用意されているマニュアルがとても分かりやすくて良かったです。
これなら、全くの初めての人でも難なく使いこなせるのではないでしょうか。
ちなみに私が仕事でよく選定するオムロンは、ちょいと分かり難いですよ。
今後はazbilにしてみようかな。

さて、それでは温度管理万全体制で究極の燻製を・・・

つづく


コメント

_ パピー ― 2013年04月22日 08:39

GW はコレが目玉っすね (^^)
しかしながら、レベルが高い上に行き先は家族サービス。
脱線しないところ、見習わなくては。。

_ りょうさん ― 2013年04月23日 20:37

いや~今まで脱線しまくってましたからねぇ・・・
毎日着払いの荷物が玄関に(^^;

_ ひろ ― 2013年05月14日 05:19

はじめまして、突然横からすみません
デジタルフィルターについての動作原理と数理公式を説明してあるサイトをみました。
なんと・・・
時間軸の違うデータのサンプルを混ぜ合わせていくことで
平坦化するという効果を利用しているんですね!
マスキングされているような感じがする正体はこれのような気がしていています。

_ りょうさん ― 2013年05月14日 21:48

ひろさん、はじめまして。
なるほど、その混ぜ合わせ方(加減)で音が変わるのかもしれませんね。
パイオニアのレガートリンク、DENONのアルファプロセッシング、ヤマハのPRO-BITなどなど・・・
実はフィリプスのSAA7220がマイブームだったりします(^^;

_ ひろ ― 2013年05月14日 23:44

りょうさんはじめまして。
同じフィルターという言葉でもデジタル段とアナログ段とでは全然違うものなんですね。
SAA7220は音質がいいと有名なデジタルフィルターですね。
このPhilipsとかSignetics?とかいうメーカは派手さはないけど、いい物作りをしている様な印象がします。
個人的に、よく作られたNOSの機械に今でも轢かれるのは、あの混ぜ合わせの部分で理解できたような気がします。

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