あきゅT-110CSをDAC化 その32025年12月09日

CX23034でPCM1700が使えるようになったら、ちょっと欲が出てしまいましてね。
SAA7220でも出来るかなと・・・!
で、それらを切り替えて遊べるようにしたら面白いんじゃないかなーって、またアホな事を思いついてしまった拗れたヲタクです。

SAA7220はI2S規格なので、当時のPCM1700あたりとは相性が悪いんですよね。
まずは可能かどうかの確認からスタートです。







数あるデジタルフィルターの中でも、SAA7220は異色の存在といっても良いのではないでしょうか。
中卒なので内部の演算方式とか数値的な事はまるでサッパリわからんのですが、出てくる音はちょっと4倍とは思えない良さがあるんですよね。
組み合わせているTDA1541との相乗効果もあると思いますが、TDA1541だけではハイ落ちNOSDACになってしまうところを上手い具合に補っているように感じます。
NOSに近い4倍・・・といったら言い過ぎかな。2倍っぽい4倍、そんな印象です。

確か、他社の4倍は2倍x2倍で4倍にしているのに対して、SAA7220は一気に4倍にしているので、数値スペックは劣るものの音質的には有利という説もあります。
実際にも根強い人気があるようで、エソテリックの高級DACにもSAA7220のアルゴリズムを再現したモードが搭載されていたと記憶しています(めっっちゃ高かったような気がしますが)

そう、それなら2倍のCX23034と4倍のSAA7220を、あとはオマケで純正の8倍YM3434とを切り替えられるようにしたら面白いんじゃないかなーってね。







SAA7220を調べてみると、クロックが384fsではなく256fsなんですね。
TC9245の384fsでは使えません。
そこで、384fsを256fsにする回路を検証します。
楽しいブレッドボードの時間です。












あのDAS-703ESも384fsと256fsが混在していて、384fsを256fsに変換しています。
JK-FFの74HC112で384fsを3分周した128fsをEX-ORの74HC86で逓倍して256fsにしているので、この部分の回路をそっくりそのまま頂いちゃおうというセコい作戦です。

上から
元クロック(実験では14.318MHzのOSCを使いました)
3分周した波形
3分周を逓倍した波形

たしかに0.67倍のクロックになっていますが波形が・・・なんというかデューティー比が鬼のツノみたいで美しくありません。













ちょっと変えて、元クロックを逓倍してから3分周してみました。

上から
元クロック
逓倍した波形
逓倍してから3分周した波形

完璧なデューティー比ではありませんが、こっちの方が良さそうなのでコレで行く事にしました。












次はTC9245のRJ16をI2Sに変換する回路を考えます。
TC9245のBCKは32fsなのでDATAは隙間なくベタ書きになりますが、SAA7220のタイミングチャートを見ると同じく32fsベタ書きですので、DATAを1ビットシフトさせるだけで行けそうです。











とりあえず74HC595で1ビットシフトさせてみました。
ベタ書きなので2chだとDATAが繋がってしまいMSBやLSBが判別しづらいので、左だけ出力させてみました。
OKっぽいです。












試しにI2SのTDA1387に繋いで動作確認。
ちゃんと音が出ました。
この石、数年前にAliexpressで20個で数百円程度で買ったものですが、ちゃんと使えたのでリマーク品じゃなかったんですね。
なんでこんなに安いんだろう?












それでは本命のSAA7220を用意して検証してみます。












左chのみ入れてみましたが、無音のはずの右chから不穏な波形が出ています・・・。
うーん、やっぱりデジタルフィルターという演算器に簡易な逓倍回路ではダメなのかな?












そこで逓倍はやめて、PLLで組んでみる事にしました。
でも、PLLって組んだ事が無いんですよね。
むかーし、4046とか・・・そんなレベル。
で、部品箱を探したらTC9246が出てきました!
何かから剥がした物ですが・・・なんだったろう?まぁいいや。
デジタルオーディオ用のPLLで、LRCKから256fsを生成可能っぽいです。
これは使えるかも?!さっそく秋月の変換基板にセットして試してみます。












ざっとこんな感じで組んで動作確認です。











おお!あっけなく出ました!
LRCKを入れるだけで簡単に生成できるなんて・・・やっぱり専用ICは凄いなと。
しかし残念ながらTC9246はディスコンで国内では入手困難です。
何かのジャンクから剥がすか、本物かどうか怪しい海外サイトから入手するしか・・・
入手困難な石で何かやるの、あんまり気が進まないのですが、これで進める事にしました。












それでは本命のSAA7220で、ついでにTDA1387も付けて音出し確認までやってみます。
ん~、音は出ましたが時々ザザってノイズが入ります。
ま~、ブレッドボードだし、TDA1387も最小構成だし・・・このへんは後で対策するとしましょうか、という事でこのまま進めます。











波形を確認すると、CDプレーヤーの停止状態でやっぱり不穏な波形が出ています。
なんで??
今までデジタルフィルターの出力波形なんか観測した事が無く、これが正常なのかどうか判断できないので、ド定番DAIのCS8416を繋いでみたらやっぱり同じ不穏な波形が出ます。
SAA7220って、こういう仕様なの?












SAA7220を搭載した製品はどうなっているのか確認したいので、CDA-94を引っ張り出してきました。
通電するのは軽く15年ぶりくらいですかね。
同じく不穏な波形が出ていますので、こういう仕様という事ですね。
不穏ではなく平穏でした。これでスッキリです!












それではPCM1700に接続できるようにしてみます。
基本的にはCX23034の時と同じ手法で左右並べて切り出して、16ビットDATAを18ビットDACで使えるようにLRCKを3ビットシフトさせました。
なんか波形がブレているというか、ジッター多めなのが気になりますが・・・タイミング的にはOKですね。












それではいよいよPCM1700と接続して動作確認。
音は出るのですが、やっぱりジジってノイズが入ります。とくに小信号時に大きな音で。
さすがにこれは致命的すぎるので原因を探ります。












そう、波形のブレがずっと気になっていたのですが、SAA7220からの出力がめっちゃブレて出てきます。
まさかと思ってTC9246の波形を確認するとブレブレです。
単体では大丈夫そうだったのに・・・
再生一時停止にすると落ち着きますが、再生になるとブレてしまい、小音量時がとくに酷いです。
まぁ、ひどいジッターですわ。
試しにパスコン増設やダンピング抵抗かましても変化なし。ブレッドボードで組んだからなのか、ジャンクから剥がした石だからなのか・・・検証するにもこれ1つしかないので困ったなと。

で、最初に試したDAS-703ESの分周逓倍回路でやってみたところ、あっさり解決!!
全く問題ありません。安定した波形が出てきます。
こんな簡単な回路で・・・やっぱりメーカーは凄いですわ!

分周→逓倍、逓倍→分周どちらでも問題なく動作しました。鬼のツノみたいな波形でも動作には関係ないみたいですね。それなら分周→逓倍のほうが低クロック処理になるのでDAS-703ES方式で行く事にしました。














今回の回路はこんな感じになりました。
もうね、脳トレ通り越してオーバーヒートで知恵熱出そうです(出なかったけど)

年末らしく立て込んできましたので、落ち着いたらセレクター周りを考えていきたいと思います。



あきゅT-110CSをDAC化 その22025年11月22日

もう10年以上前になりますか。AccuphaseのCS-PCMチューナーのDAC化に着手しましたが、結局そのまま放置されているのを思い出してしまいましたので、このさい一気に進めてみようと思います。

あの時はXK-S7000のDAC基板を活用して8fsデジタルフィルターSM5840で鳴らしていましたが、多分作っても面白くないので使わない気がしましてね。
どうせやるなら、もうちょっと拗らせて楽しく遊んでみようかなと。

でもね、PCM1700でノンオーバーサンプリングは・・・ちょっと違うかな。今更感もあるし。
どうせ遊ぶなら誰もやらないような構成がいいかなと。
PCM1700は18ビットDACなので組み合わせるデジタルフィルターはだいたい限られちゃうなぁ~なんて思ってたら古の2倍デジタルフィルターCX23034は18ビット出力だったのを思い出しましてね。
ああ、イイかもしれない!
NOSに近いフィーリングでアパーチャ効果による高域低下の心配もないですしね。
2fs18ビットDACなんて製品は無かったと思いますので、私のような拗らせたヲタクにピッタリです。








CX23034のデータシートに記載されているタイミングチャートです。
ざっと見た限りでは出力は16ビットで書かれていますが、実際には18ビットで出力されているっぽいです。
昔、ベータま。師匠がCDP-222ESのPCM56PをPCM61Pに換装して2fs18ビット化していましたし、DAS-703ESを詳しく解説したサイトにも18ビットで出力されている旨が書いてありましたので、実際に確認してみます。












まず確認って事で、素敵なDAI基板にCX23034をつないでみます。












おー、確かに18ビット出てます!
積分型DACやDAS-703ESでは下位2ビットを捨てて16ビットで使用していたわけですね。
なるほどCX23034って18ビット時代を見据えて作られていたようですが、製品としては1度も18ビットで使われなかったというね・・・
18ビットDACが出てきた時には普通に8倍になっていましたから、そこに2倍を投入しても商品として勝負にならなかったのでしょう。

今思うと、あの頃のデジタルオーディオ技術開発のスピード感は物凄かったですね。
毎年秋には新しい技術がぎゅっと詰まった新製品が当たり前のように発売されて・・・ワクワクがいっぱいで楽しかったなぁ・・・












さて、18ビットで出ている事が確認できたので、それを生かせるようにLRCKを2ビットシフトさてみます。
とりあえず手持ちの74HC595でサクっと。
いや74HC164でもいいのですが、むしろそっちのが向いているのですが、秋月でついうっかりレール買いしちゃったので容赦なく使います。












上から
元のLRCK
DATA
2ビットシフトさせたLRCK

うん、いいですね。余裕です。
って思ってたらですね、これと同じ信号がCX23034からデフォルトで出力されていたんですね。
んな事データシートに記載されてないので気付くわけもなく・・・プローブ当てなきゃわからんて。
2ビットシフトを生成する必要は無くなったので、組んだ回路を撤去して進めます。















ウチで調べたピンアサインはこんな感じです。
14pinから18ビットのLRCKが出ていました。
15~18pinはN.C表記にしちゃいましたが、14ビットのDATAなんかが出ていました。まぁ使う事は無いと思いますのでN.Cで。














PCM1700のデータシートを入手してぼんやり眺めます。
PCM61P等のシングルDACを2個使いならDATAはそのままでBCK振り分けで行けたのですが、PCM1700はBCKが左右共通で切り離せないので、DATAを左右に振り分ける必要があります。
ん~~~、どうしよう。ちょいと面倒ですねぇ。
でもまぁ、ボケ防止の脳トレ兼ねてやってみるとしましょうか。












CX23034のBCKは48fsなので74HC595を3個並べてDATAを24ビットシフトさせてみます。
ちゃんと動くかなぁ?












上から
18ビットのLRCK
元のDATA
24ビットシフトさせたDATA

ちょいとトゲが出ていますが、狙い通りの動作です。
DATAが1/2fsずつシフトしているのが確認できます。
要はLRCKがHの時に左右のデータが同時に出力されればいいので、この中から必要なDATAを必要なタイミングで切り取って出力させればイケるハズです。

そう、基本的な考え方は昔流行ったTDA1541なんかの左右振り分け回路のような感じですかね。
デジタルお城があると、こういう作業がホントにラクですわ










試しに74HC08で切り取ってみました。
これでイケるんじゃないかな?











それでは手持ちのPCM1700Pにブチ込んで動作確認。
OKです。鳴りました!








念のため左右位相差を見てみると、ちょっと楕円になっています。
その差は11µs・・・88.2kHzの1/2fsのズレって事ですね。ん~なんでだろう?
DATAの波形を見る限りでは左右同時で入れているのに・・・











元DATAとシフトさせたDATAとでは相性が悪いのかなと思い、もう24ビットシフトさせて24と48から切り出してみましたが結果は変わらず。まぁそうですよね。

まぁね、このままでも実用上は全く問題ないのですが、細かい事を言うとせっかくのデュアルDACがシングルDAC相当になってしまうので、なんかスッキリしないです。











一連の動作確認はテスト用の円盤EIAJ-CD1をCD-Rにコピーしたものを再生して使用していたのですが、試しにPCで波形を作成してUSB-DDCを介して使用してみる事にしました。












ド定番のWaveGeneで1kHzサイン波モノラルに設定して光出力してみたところ・・・









ビシっと出ました!!
なんだよもう・・・OKじゃん!

でもなんで???
バックアップしたCD-Rだから?
んなわけ・・・










原本で確認しましたがCD-Rと同じ結果に。まぁそうですよね。
っていう事はどっちが正しいの??

まぁ普通に考えてPC作成で直接出力のほうが間違いないと思いますが、WaveGeneで作成したデータをCD-Rに焼いてCDプレーヤーで再生すると、やっぱりズレて出ます。
でもね、CDプレーヤーのアナログ出力はキチンと揃って出て来るんです(2DACね)
CDプレーヤーを替えても同じ。DAIに問題があるならPCもCDも同じ結果になるはず・・・

で、CX23034へのLRCKを反転させたところ、状況も反転してPCでズレてCDがOKとなりました。
まぁ、そうですよね・・・でも、なんで???

要はデータを切り出すタイミングの問題なのは分かっているのですが、なんでPCとCDで変わるのか・・・どっちかが規格から外れているとか・・・?
お城で見ても、両者同じに見えるんですよね。左右も合っているし。
もうわからんて。このへんが、中卒の限界かな。








ここまでの回路はこんな感じ。
CD規格を尊重して、CDでビシっとキマるこの回路で進める事にしました。
なんとなく、PC出力側の問題な気がしますが・・・
詳しい方、アドバイス頂けると有難いです。