PIONEER S-X66 レストア2022年04月09日


去年、あんなにも冬が来るのが待ち遠しくて...
やっと冬が来ていっぱいキャンプに行くぞー!って予約しまくってたのに・・・
有難い事に仕事がパンパンで全然行けず、毎週キャンセル処理してたら春になってしまいました。

このままでは死にそうなので、3月の終わりに強引に休みにして静岡のふもとっぱらへ行ってきました。





この解放感、クセになりますねぇ。
到着した時はうっすら霞んだ富士山が見えてたけど、テント張ったら見えなくなるという、いつもの春の富士山でした。

やっぱり行くなら秋冬に限りますね。










翌日、帰りに山梨のハードオフをハシゴしました。
そしたらですね、前からちょっと気になってたふるーいパイオニアのスピーカーが880円だったので連れて帰る事にしました。

プラスチックな箱なのに、鈍器のような重量。
遊ぶには丁度良いですね。










帰宅してテントを干してから作業開始。
まぁ、よくあるジャンクですね。
まずは復活を試みます。










このウーハーユニットにはボイスコイルが2回路あるんです。
そう、これが気になってて確認したかったのです。

やたらデカいマグネットでキャンセリングマグネットが付いていないという、なかなかの男前。
そりゃ重たいはずだわ。

密閉型のエンクロージャーなのでフレームの錆が激しいです。
ヤマハのNS-1000M等で超定番トラブルですね。
密閉型のビンテージ品はだいたいこんな感じです。












ネットワーク回路。
2wayにしてはずいぶんと凝ってますね。










ざっとこんな感じ。
ツィーターのローカットはU-CON使っていました。さすがです。










ツィーターは導通もあり問題ないようですので、今回は未着手です。










経年でボロボロになったエッジを交換するのでバラします。











溶剤を使って硬化した接着剤を剥がします。
ちょっと爪を立ててコリコリ剥がしていたらバリーーンっと!!
やってしまいました。ガッカリです。
それにしても、こんなにも脆いとは・・・
でも考えてみれば、40年も経過した樹脂ですからね。脆くなって当然。
結局のところ、紙が一番長持ちって事なんでしょうかね。











しかし、どうしても音を聴いてみたいので更に修理する事にしました。
グラスメッシュで補強してコーティングします。
過去にこの方法で大口径ウーハーを修理した事がありますが、問題なかったので今回もこの作戦で。

割れてないほうも同じ位置に同様の作業を行います。
理由は左右の特性を合わせるためです。
片側だけの作業だと、左右で特性が微妙に変わってしまいますから。
直したほうを基準に、特性を測定しながらQmsが同じになるように調整します。
そこまでやる必要は無いと思いますが、せっかくの楽しい遊びなので気が済むまで、ね。










そうこうしているうちに大陸からエッジが届きました。
フレームの激しい錆をどうするか最後まで悩みましたが、このままで行く事にしました。










勘と測定で慎重にセンター出しを行います。
しかし、かなりシビアといいますか、クリアランスが狭い印象です。

おそらくは、磁気回路の錆が進行しクリアランスを狭くしてボイスコイルタッチを引き起こし易くなっているのではと推測します。
まぁ、密閉型スピーカーの宿命ですね。










なんとかエッジ交換を完了し、インピーダンス特性を測定してみます。








笑っちゃうくらいピッタリ揃っています!
しかし、ボイスコイルタッチしやすい状態に変わりないので、音を出してみてどうなるか・・・









磨き上げた箱に組付けて修理完了!
色褪せていたセンターキャップも染料で黒くしたので本来のルックスになったかな。
割れた部分も目を凝らさないと分からないレベルです。











それでは試聴。
まぁ、なんて華やかな音なんでしょう!
完全にハイ上がりです。でもスッキリしているので煩いというほどではありません。
音が、けっこう攻めてきますね。歯切れ良く全体的に硬めだけど抜けも良く、多少大味に感じますが解像度もなかなか。
いわゆるモニター的な音でしょうか。見通しも良くボーカルもキレイです。

やっぱりこの頃のパイオニアって、音も会社もすごく元気だったよなぁって。
調子に乗って音量を上げてみましたが、ボイスコイルタッチは確認されませんでした。
良かった!

こんな小さな箱なのに、スピード感のある低音が元気よくリズムを刻んで・・・これにはちょっと驚きました。
AFBSをOFFにした下のAIWAよりも低音がよく出ますし高域もスッキリ伸びています。
これでAFBSだったら面白いだろうなぁ~って思ったり。

良く出来た密閉ってすごく良いですね。
私は今の時代の暗くて重い音のスピーカーより、元気な昭和サウンドのほうが好みなんだなと再認識する事ができました。

2022年早々AIWAのAFBSから始まったプアオーディオ遊びが、どんどん加速しそうな今日この頃です・・・!



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