CDP-701ES延命計画 2 ― 2024年02月03日
前回、LPFの特性を周波数ごとにオシロでレベルを確認していましたが、この方法では11次GICフィルタの特性を評価するには無理があるので、ネットワークアナライザの導入を視野に入れて探したところ、ANALOG DISCOVERY2という物を見つけました。
これがとんでもなく多機能で、どう見ても価格と内容が釣り合いません。
よくある中華のホラ吹き番長的なヤツなんじゃないかと思いきや、あのアナログデバイセズが関わっているだけあって評価も上々。気になってしょーがないので調べまくりました。
主な機能として14bit/30MHzのオシロはもちろん、
スペクトラムアナライザ
ネットワークアナライザ
カーブトレーサー
ファンクションジェネレーター・・・などなど
これほどの機能が手のひらサイズの筐体に入ってて、お値段なんと5万円!
ハァ?
嘘でしょ?!
こんな美味しい話ってある???
ちょっと前までネットワークアナライザは高価な機器を組み合わせて行う物だったと思うのですが・・・コレとPCだけで出来てしまいます!
技術の進歩というか・・・もう完全に浦島太郎状態ですわ。
凄い時代になったもんです。税金も凄いですけど。
ANALOG DISCOVERYは旧モデルの2と最新モデルの3があるのですが、僅かな性能の差は私が使う分には全く問題ないのでちょっと安い2の方をポチりました。
早速PCに繋いで遊んでみます。
こんな手のひらサイズのオモチャみたいな物でホントに出来るんか?って思っちゃいますね。
CQ出版社から出ている本もポチって、それを参考に一通りいじって感触を確かめてからネットワークアナライザ機能を試してみました。
いやぁ、まさかこんな事が自宅で出来るようになるなんて・・・!
まずはCDP-701ESオリジナルのLPF特性。
すげぇ・・・!断崖絶壁そのものですわ。
20.5kHz付近からカクっと落ちています。さすがです。
群馬側から見た荒船山と完全に一致ですね。
イイ所なんでしょうけどね、高所恐怖症なのと何よりヒルが苦手なので行ってないです。
こちらは作ったほうの特性。
オリジナルよりも減衰ポイントが丸く、20kHzから落ち始めますがイイ線いってると思います。
特性も確認出来て大丈夫そうなので実機テスト用に1セット作りました。
リード線タイプの部品ですが、これだけ密集していると組むのも大変です。
パターンの引き回しはオリジナルよりも短くなっていますので、定数さえ決まれば劣る事は無い・・・かもしれない?!
次はいよいよ時間を確保して実機に搭載しての試聴です。
時間が、ねぇ・・・・・
CDP-553ESDのDAC化遊び ― 2023年12月10日
CDP-552ESDに続いて、CDP-553ESDのDAC化です。
これもDAC基板しか無いので、前回同様に電源部とデジタルフィルターと素敵なDAI基板を用意して動作確認です。
まな板上で火入れ。
動作OK!
それでは箱に入れましょう。
何かイイ箱ないかなーってなんとなくドフに行ったら、前回使った物と同じミニコンポのチューナーが1100円でありました!
ものすごいタイミング!
これだからドフ巡りはやめられないですね!
レジで 「受信未確認になりますが・・・」 って言われましたが全然問題ありません。中身は速攻でポイしますから。
早速持ち帰って、中身を取り出して実装です。
まだ完成前ですが、我慢できずこの状態で試聴です!
・・・ハムが乗るぞ?
どこから飛び込んでるのかな?って、配線や部品を指先で触りながら原因を特定していると・・・なんか妙に熱い・・・!!
電源のヒートシンクや平滑コンデンサが触れないくらいの温度に!!
慌ててコンセント引っこ抜きました。
原因は電源トランスからDAC基板への単純な配線ミスでした。
定格の2倍くらいの電圧が片方のコンデンサに印加されてしまい、ご覧の通りパンパンに膨れてしまいました。
コンデンサが触っていられないほど熱くなるなんて・・・初めての体験です。
アタマもギリギリ・・・!
いやぁ・・・恐ろしい。気付くのが遅れていたら、防爆弁が開いて顔面直撃でした。
後からじわじわ怖くなるやつです。
幸い、トランジスタさんが頑張ってくれたおかげで、貴重なKランクのPCM53JP/Vは無事でした。
いやぁ・・・良い経験となりましたよ。
落ち着いて作業を進めます。
選局ボタンで入力切替ができるようにRS-FF回路を組みました。
このあたりは前回やったCDP-552ESDと同じです。
セレクターの回路はこんな感じ。
このくらいなら、マイコン使うよりも手間かからず安価に済ませる事が出来る・・・かなぁ?
電源スイッチはマイコン制御のタクトスイッチでしたのでロッドを介してメカニカル式に変更です。
ストロークは短めが無難かな。
完成です!
電源トランスはソニーのアナログBSチューナーに付いていた物を使いました。
単体DACには十分すぎる容量ですね。
妊娠させてしまった電解コンデンサは6800uFに交換。
オリジナル以上の強力電源になりました。
わくわくの試聴タイム。
第一印象は、重心の低いドッシリとした図太い音ですね。
太いんだけど・・・なんだろう・・・?
そう、DAS-703ESを愛用していた時に薄々感じていた、ほんのちょっと重いというか、どこかちょっと暗い感じに鳴るあの感じ・・・
些細な事かもしれませんが、それがずっと気になって出番が減って、結局金欠もあって手放してしまったんですよね。
確認のため、前回仕上げた552ESDを用意しました。
やはり552のほうがポンポン弾むように気持ち良く奏でます。
553はドーンと落ち着いて構えた、ちょっと大人しい雰囲気かな。
ものすごーく悪く言ってしまうと、重くて弾みきれていない印象。
回路的に見ても552と553の違いはDACチップのみと言って良い内容です。
デジタルフィルターはもちろん、DAC以降のアナログ回路も定数も素子もほぼ同じなので、この音の違いはDACの違いに依るものと判断して良いと思います。
今まで私はDACの音質差はそれほど大きくないという認識でしたが、これは間違いだったようです。
キャラクター的なものはDACよりもデジタルフィルターのほうが支配的になりますが、DACの影響も無視できないレベルであることを確認する事ができました。
いやぁ・・・こんなにも違うとはね・・・。
どっちが良いかは好みの問題ですが、私は552のほうが好みですね。
しばらくは552と553を入れ替えながら楽しみたいと思います。
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