PCM-501ESをDAC化2024年07月16日


今回はPCM-501ESをDAC化してみました。
ビデオデッキと組み合わせてデジタルレコーディングを可能にした、当時としては夢のようなマシンでしたね。
PCMシリーズはいくつかありますが、ねらい目はPCM-501ESかPCM-701ESあたりになるでしょうか。
PCM-701ESはA/Dコンバーターが左右独立という贅沢な構成ですが、D/AコンバーターはPCM-501ESと基本的には変わらないようですので、DAC化するのであればPCM-501ESがベストと思います。安価で落とせますしね。






内部を確認します。
デジタル処理部は弁当箱の中に組まれています。これはDAC化には必要ないので撤去します。
残しておく手もあるのですが、電力の無駄ですので(この頃の回路はえらい食います)キレイに撤去で良いでしょう。











左がD/A変換回路、右がA/D変換回路ですね。
ソコソコ良い部品が使われています。











A/D変換回路も必要ないので全撤去しました。
うん、スッキリですね!










外した部品達。
今となっては貴重な物ばかりです。










A/D変換回路の跡地に素敵なDAI基板をインストール。











とりあえず動作確認。
いろいろ問題点が出てきたので修正作業を開始します。










まずディエンファシス制御が、逆な感じ。
今でこそエンファシスなんて使われなくなりましたが、デジタルオーディオが出始めた頃はデフォルトで使われていたようです。
リレーONでディエンファシスOFFになるので、リレーの接点を変更します。
すると、FLの「EMPHASIS」表示が動作と逆になってしまいます。










ディエンファシスとMUTEの制御もアレコレいじってご覧の通りの有り様に・・・。
もういいや(^^;
MUTE動作はどんな使い方をしてもポップノイズが出ないように制御します。
これもちょっとハマりました。
はっきり言って、DAC化よりもMUTEとEMPHASISの処理のほうがずっっっと大変でした。










FL管はそのまま活用する方向で、EMPHASISとPB MUTING表示は動作に合わせて表示するようにしました。
もちろん、レベルメーターもそのまま生かします。

そうそう、レベルメーターですが信号が無い時にDAIから出る信号の影響で、-40dBくらい振れていたのですが、MUTEリレーを通してからレベルメーター回路へ入れるように変更して解決しました。
なんでMUTE通さずにメーター振らせるようにしてあったんだろう・・・??










背面には丸穴を角穴にして光の入出力を、下には同軸入力を付けました。
出力ってあまり使わないと思うのですが、DACを数珠繋ぎにして遊ぶ(?!)時にはすごく便利ですので付けました。
入力切替は14bit/16bit切替スイッチで行うようにしました。
録音レベルのボリュームは可変出力用にしましたので、パワーアンプ等に直結可能です。












完成!
MUTEやらEMPHASISやら表示やらレベルメーターやら・・・ちょっと勝手が違って良い経験となりました。
仕上がってみれば、レベルメーター付きの使い勝手の良いDACになりました。

さてさて音ですが、良いですよー。
積分型DACって、ノンオーバーサンプリングなら期待を裏切らない音が出ますよね。
でもね・・・鮮烈な音速感を楽しめるDAS-701ESと比べてしまうとですね、本機は亜音速になりますかね。これはこれで良いですが。











要らない回路を全撤去したらスッカスカになってしまったので、もう少し小さいケースに入れようかとも思ったのですが、この頃のソニーのパネルデザインとレベルメーターが最高にイカしているので、このままDAS-701ESと並べて数珠繋ぎにしておきたいと思います。



コメント

_ etoile ― 2024年08月14日 23:23

またまたのDAC改造のご成功おめでとうございます。
最近、この改造を施した同型機を次々とヤフオクに出している方がおいでですね。
高値落札が続いて驚きです。
PCM-553ESDと同等の音だとするとやはりCDP-701ESの音には叶わないですね。
最近見かけた記事で、なんとFPGAを使ってデジタル音声をNTSC化してPCMプロセッサーに入れると言うものがありました。
これには驚きました。

_ りょうさん ― 2024年08月16日 22:24

etoileさん:
PCM-501ESの改造機、毎回けっこうな価格になっていて羨ましいです!
多分、PCM-501ESを絶賛している記事の影響もあるかもしれませんね。
好みの問題もありますが、超音速立体音響が楽しめる701ESに対して501ESは亜音速でやや平面的な表現に感じます。これはこれで良いですけどね。
FPGAでNTSC化は、たしか開発に携わっていた方だったような。
確かにあの方法ならハード面の改造は不要ですよね。技術とアイデアに脱帽です。

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