CDX-1a project 1 ― 2025年07月13日
CD-1aをDAC化している途中でCDX-10をCD-1a化するというアホな事を思いついてしまいましたのでタイトル変更です。
ミニコンポ用の安価なCDX-10をトランスポートにして、CD-1aのDACを鳴らして遊ぶイメージです。
CDX-10もTX-10も同じシリーズでデザインも共通ですので、セパレートCDプレーヤーっぽくして仕上げてみたいと思います。

まずはトランスポートとして使うCDX-10のメンテナンス&プチ改です。
あのCD-1aの時代では信じられないくらいスッカスカですが、当時最新のデジタルサーボを搭載していた、CDプレーヤーとしては熟成期を過ぎたくらいの末期になるでしょうかね。
この頃にCDプレーヤーの技術は静かにピークを迎え、その後はコストダウンの方向へ一気に墜落して現在に至ります。
こんなスッカスカでも安定動作という点では初期のCDプレーヤーの比ではありません。
サーボ系もディスク毎に最適化されるので調整箇所もありません。
技術の進歩って素晴らしいです。

とりあえず電源ラインにOSコンをいっぱい植えました。
一般的に低価格機ほど電源が貧弱にされがちですので、クロック周りを扱っている石の電源ラインに付いているセラミックコンデンサにOSコンを盛りつける形で植え付けます。

再生していましたが時々音飛びしていたのでピックアップを中華の新品に交換し、トレイのベルトはバンコードに。

大陸から届く中華ピックアップはいつもこんな感じでボッコボコになって届くのですが、何故か全然使えるんですよね。
とりあえず動作に問題ない事を確認して、次のステップに移ります。

BCK/LRCK/DATAを引き出すポイントを探します。
幸いサービスマニュアルが入手できたので難なく見つける事ができました。
MN66271RAの1~3pinがそれに該当するようです。
この石はラジカセ等の比較的安価なモデル用らしく、なんとMASH方式のDACまで内蔵されていました。
CDX-10ではこの内蔵DACは使わず、自社開発のYAC514を外付けで使用しています。
今回はこのMN66271RAからYAC514までの間の信号ラインを引き出して、DAC化したCD-1aと接続する作戦です。

1kΩというちょっと高めのダンピング抵抗を介してYAC514に接続されていますので、同じ1kΩを介して引き出します。

最短で配線するためこんな感じで。

外に引き出すので、手元にあった74HC4050でバッファリング。
ちょっと古いけどスペック的にはまぁ大丈夫でしょう。
それでは波形を観察してみましょう。

こんな感じでプローブを接続したら、さっきまで絶好調だったCDX-10が絶不調に。
キュルキュルしてディスクが高速で逆回転して暴走してしまいます。
やべぇ、やっちまったか!?
どうやら外来ノイズに対してすんごく弱いようで、青い線を介さずプローブ直付けにしてなんとか再生できるようになりましたが時々不安定さが見え隠れするような挙動です。
こりゃ、入出力を絶縁しないとダメっぽいなと。

絶縁で真っ先に思いついたのがフォトカプラ。
ひと昔前のPC910みたいな信号経路に使える高速な物を探しますがなかなか見つからない・・・
秋月のサイトを徘徊してソコソコ高速なTLP2366という物を見つけたので試してみようかと思ってたところでADuM1200というデジタルアイソレーターなる物を見つけました。

データシートを見てみると、これがまた素晴らしい石で驚きました。
光ではない方法で絶縁していてフォトカプラよりも高速で
入出力にアンプが入っているので前後の回路が不要で
しかも1個で2回路入り・・・という大素晴らしいスペックで1個470円!マジか!!
いやー、技術の進歩って素晴らしいですわ。
買わない理由が無いので変換基板と一緒にポチりました。

届いて実装。
結果はこれが思わしくありません。相変わらず不安定です。
絶縁したのにツイストペア線を接続するだけで簡単に暴走します。
なんならサーボ周辺に手を近づけるだけで誤動作が始まります。
なんてデリケートなデジタルサーボなんでしょう。
っていうか、さすがにこれはちょっとおかしいぞ?って。

で、色々と試してみた結果ですね、アース不良が原因でした。
リアパネルを付けずにテストした時はココをクリップで落としていたのですが、パターンを見たら何処にも繋がっていないネジのブラケットだけだったという・・・
完全に私の確認不足&思い込みが招いた結果ですけどね、なんか解せぬ・・・

じゃぁ何処で落としているんだろうと探したら、なんと出力端子の止めネジ部分で落とすという大胆な設計でした。
ここで接触不良を起こして浮いていたようです。いくら金メッキとはいえ固定は樹脂ですから弱いですよね。こんなんならさっきのブラケットで落とせば良かったのに・・・解せぬ。

電源の濃ゆい所からGNDを引き出して、丸端子でシャーシに落とすようにしました。
って普通はこうするんですけどね・・・ヤマハさんも昔はそうしてたんですけどね・・・
してあるものだという先入観で遠回りしてしまいました。反省・・・。
結果的には絶縁させる必要は無かったのかもしれませんが、外部に引き出すなら絶縁するに越した事はないですし、無理に古いデバイスを使用するよりも回路規模を小さくする事が出来たので無駄ではないと思っています。

これで安定した信号を出力する事ができるようになりました。
うん、I2SではなくRJ16で確定ですね。
トゲもなくキレイな波形です。16ビットのデジタルーディオなんか余裕だぜって感じですね。
この波形だけを見てもADuM1200を使うメリットは十分あると思います。

LANケーブルのツイストペアでリアパネルまで引き回します。
本当は本体外に引き出すには差動ドライバを使うのが正しいのですが、まずはコレでやってみて問題が無ければOKにしようかなと思っています。
何メートルも引き回すわけではないですし、売り物ではなく自分で使う物ですからね。
TTLを外部出力なんてやった事が無いので、楽しみながらやってみようかなと。

リアパネルにLAN端子のRJ45を増設。
RJ45でI2Sのピンアサインって各社それぞれ独自規格でやっているようですが、今回は我らがアキュフェーズの 「HS-Link 」 に準処して仕上げてみました。
まぁ、I2SではなくRJ16ですけどね。細かい事は気にしない気にしない。
ひとまずこれでCDX-10側の作業は完了かな。
シャーシGNDにはずいぶんと良い経験をさせてもらいました。
次はDACの受け側をじっくり考えるとしましょうかね。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kousokuweb.asablo.jp/blog/2025/06/29/9785709/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。