FOSTEX G750修理 ― 2024年06月12日
スピーカー遊び復活です。
今回は、我らがフォステクスのG750です。
これね、昔オデオ仲間の集いで聴かせてもらった事がありまして、なかなかの質感でいつかは入手しようと思っていたのですが、完動品だとけっこう良いお値段なんですよね。完動品かどうかも怪しいし・・・
たまたま見たヤフオクで、マズマズのジャンク品が出ていたので軽く入札したらあっさり落札。
安く落とせてラッキー!って思っていたのですが・・・
ウーハーのグリルが浮いています。
ここまでは出品画面で確認済みでしたが・・・
ぎゃー!
エッジがぁー!!
グリルを外すとご覧の通り。
なんてこったい。お楽しみが増えてしまいました。
現状を確認するためバラします。
ツィーターは両方ともドームが潰れていて、もう片方のウーハーは補修跡があります。
多分同じようにカバーが浮いたのを接着剤で補修したのでしょう。
作業のクオリティから素人さんでしょうね。
ウーハーとツィーターは同じダイキャストフレームで、共通で使える設計です。
でも、共通化のためにツィーターの構造には無理があるように思えます。
かえって手間がかかったのではないでしょうか。
まずは現状の特性を一通り測定して記録しておきます。
ツィーターはドーム潰れの影響が出ている特性でした。
音は出ていますが、吸音材と接触している特性です。
耳だとわかりにくいのですが、測定器を使うと容易に判定できます。
webの情報によるとソフトドームとの事ですが、透明な樹脂のようです。
潰れたドームを元に戻します。
テープで引っ張ってある程度戻して、仕上げはヒートガンです。
しわくちゃだったドームがツルピカに蘇りました。
特性も正常になりましたので、ツィーターはこれで完了です。
フォステクス定番のエッジ。
良いんでしょうけどね、耐久性が低い印象です。
経年でダンプ剤が染み出て乾いてスッカスカになってしまいます。
対策としてダンプ剤を再塗布する方法もありますが、今回は状態が悪いのでエッジは交換する事にしました。
使えそうなエッジを2種類購入しました。
Aliexpressで、左は300円くらい、右のは900円くらいだったかな?
左は目が粗めの発砲タイプで、右のほうはツルっとしたゴムではない感じの材質です。
今回は柔らかさを重視して、右のを使う事にしました。
ぞれでは軽く合わせてみます。
オリジナルと同じように凹にするか、凸にするか・・・
やっぱり凸のようがカッコイイですね。
エッジも凸での使用を想定して作られていますので無理なく付けられます。
カバーを付けてみましたが、凸でもエッジがカバーに接触する事はなさそうです。
販売目的ではなく自分で使う物ですからね、凸で行きます!
組み付け完了!
うん、やっぱり凸のほうがカッコイイですね!
インピーダンス特性をチェック。
問題ないですね。特性も揃っています。
LPF作りで大活躍したANALOG DISCOVERY2で、スピーカーのインピーダンス測定に特化した専用の基板を作ってみました。
今回から実戦投入です!
いつも使っているWT3と同じ結果が出ました。
うん、使えますね。
作り方使い方は後日記事にしたいと思います。
ネットワークはツィーター側にU-CONが1個使われているだけのシンプルな構成でした。
端子はネジのままだと使い勝手が悪いので、金メッキのバナナ対応品に交換しました。
仕上がった各ユニットを組み戻します。
グリル無しで聴いてみたいので、このまま試聴です。
多分、こんな使い方を想定したスピーカーだと思うので、超ニアフィールドでセッティング。
あれ?こんなに地味だったっけ?って思うくらい真面目な音ですね。
ツィーターも出しゃばる事なく、僅かに鳴っている程度。もちろん低音は出ません!
能率も驚くほど低く、大音量には全く向きません。
物凄く悪く言うと、ショボい音って事になるかなぁ…
超小型で個性的なモデルなので、音も個性的にして良かったのではと思ってしまうくらい地味な優等生って感じですかね。
でもこれ、エージングが進むにつれて化けてきますね。
基本的には地味ですが、音のクォリティが高くスピーカーの存在が見事に消えます。
この距離でこれはちょっとゾクゾクしますよ。
音場も天井が高い感じに鳴らしてきます。このサイズで・・・いやこのサイズだからこそ??
個性のようなものを主張せずにフワっと浮かび上がるように鳴る印象は、ヤマハのNS-1classicsとイメージが重なってきます。このサイズでこの鳴り方はちょっと面白いかもです。
AIWAのAFBSスピーカーで覚醒して以来、口径20cmくらいの2wayで遊んできましたが、やっぱり小さいスピーカーも楽しいですね。
スマホスタンドで耳に合わせてセッティング。
いいですね。めっちゃハイクォリティなPCモニターの出来上がりです。
良質なUSBDACアンプを用意して楽しみたいと思います。
DAS-701ES出戻り ― 2024年05月22日
前にDAC化したCDP改DAS-701ESですが、右chからノイズが出るとの事で戻ってきました。
十分すぎるほどエージングして(楽しんで)からOK出して発送したんですけどね・・・
症状からしてLPF不良が濃厚ですが、まずは症状の確認作業から始めます。
スペースの関係で立ててセッティング。
なんか、ツインタワーのX68000みたいでカッコイイですねー!
これは・・・有りかもしれない・・・!
さてさて、困った事に症状が出ません。
それならと、作った互換LPFが付いている私の機体と音質勝負!
これなら記憶の中の音とではなく、リアルタイムで比較できます。
じっくり試聴。
いやー、同じ音に聞こえます。空間の広さ高さ、雰囲気も全く同じ。
面白味は無いけれど、我ながら満足ですわ。
それにしても症状出ないなぁ~困ったなぁ~って2時間くらい流しで聴いていたら、右chからブツっボツッっと!!
ほんのり温まってくると症状が出る傾向ですかね。
LPFの手前までの信号は正常で、LPF通過後には盛大にノイズが乗っています。
これでスッキリ、LPF不良確定です。
オーナーさんに修理内容について2通り提案しました。
① オリジナルのLPFの修理を試みる (ただし失敗したらごめんなさいねという事で)
② 私が製作した互換LPFに交換する
そしたらですね、速攻で②を指定して頂きました。
フフフ、そう来ると思ってましたよ。
それではLPFの取り外し作業に入ります。
裏面のコンデンサ達が結構邪魔なんですよねぇ。
これが無ければすごくラクなんですけどね・・・
あとGNDラインのジャンパ線を固定している接着剤!!
これが残ったままハンダ吸引するとノズルが・・・もう大キライですよ。
外した純正LPFです。
片方は生きていますが、時間の問題でしょうね。
互換LPF基板の残り8枚を全部組みました。
毎晩寝る前にコツコツ少しずつ・・・けっこうしんどかったです。
このLPFに使っている抵抗とコンデンサは誤差5%の一般的な市販品を使用しているのですが、この5%が総合的にどの程度のバラつきになるのか確認したいのです。
8個測定した結果、5%の誤差は問題ないと判断しました。
測定器レベルで、わずかに確認できる程度です。
具体的には20kHzでの減衰量が1~2dBの差といったところです。
まぁ~ 「普通の」 人間には、少なくともわしの耳では判別不能な帯域なので問題ないでしょう。
この作った8個の中から最も特性が近い物でペアを取って使用する作戦です。
そこまでする必要は無いのですが、出来る範囲の最善策・・・というか自己満足ですね。
ホイ、換装完了っ。
素敵なDAI基板と互換LPFユニット両方搭載したのはこの機体が初めてになりますかね。
まさに理想形というか、いずれはCDP-701ESの最終形態になるのではないでしょうか。
オリジナル状態に拘ってあの手この手でCD再生を目指して修理する事はロマンがあって私も大好きですが、肝心な光学ピックアップの新品はもちろん、程度の良い中古品すら入手できなくなりましたので、CDプレーヤーとしての修理は限界なのではないでしょうか。
転売や動態保存コレクション目的ではなく、純粋に音響機器として愛用するのであれば素直にDAC化がベストなのではないかと勝手に思っています。
再びツインタワーセッティングに。
前回仕上げた時はじっくりたっぷり時間をかけて動作確認をしてから発送したのですが、その長時間動作がLPFの寿命を縮めてしまったのかもしれません。
今回は新品で組んだ互換LPFですから、そういった心配もなく存分に楽しめると思います。
1週間~くらい、エージングを兼ねてじっくりたっぷり楽しませて頂いて、問題がなければオーナーさんの元に発送予定です。
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