CDP-701ESのDAC化遊び1 ― 2023年11月22日
事の発端はCDP-701ESの改造依頼でした。
依頼人さんは過去にお世話になった方でして、2年くらい前からCDP-701ESのDAC化に挑戦していて、その件で何度かメールのやりとりをしていました。
しかし、残念ながらギブアップとの事。
正直、困りました。普段からこの手の修理改造は一切お断りしているんです。
理由は簡単、貴重なビンテージ品にメス入れるわけですから、何かあった時はとても面倒な事になるからです。
幼い頃から面倒な事が大嫌いなので普通に中卒です。
これは過去に私がDAC化したCDP-701ESです。
調べたら2006年・・・若かったなぁ～。
文章にも勢いがあって、ちょっと恥ずかしいですね。
あの時、回路図を公開しておけば多くの人に 「DAS-701ES」 を楽しんでもらえたのかなと思ってみたり・・・
webをググってみましたが、回路図を公開している方もいらっしゃいますね。
当時は狭ピッチのTC9245Nをユニバーサル基板に斜め実装して組んだのですが、この斜め実装がちょっと苦手でしてね。
当時は若かったので出来ましたが、今はもう老眼なのですっかり自信がありません。
どうやって断ろうかと悩んでいる真っ最中に福島の一切経山へ行ったのですが、山頂で魔女の瞳を眺めていたら受けてみようかなーって。
やり方を見直せば、今の自分にも出来るんじゃないかと前向きに考えられるようになりましてね。
やっぱり、どんなに忙しくても体調悪くてもリフレッシュは大切。自然に触れる事で物事を多角的に捉える事ができるようになる気がします。
一切経山、過労状態でしたが行って本当に良かったです。
（その後、無事発熱して寝込みましたけどね）
さて、やり方を見直すわけですが、ユニバーサル基板で組むのは面倒なので専用基板とする事にしました。
これだけでハードルを一気に下げる事ができます。
昔は基板を発注なんて夢のまた夢でしたが、今ではフリーソフトで気軽に設計して安価に作れるようになりました。良い時代になったもんです。増税まみれですけど。
CDP-701ESのリアパネルに取り付けられるようデザインして大陸へポチっと発注しました。
発注から1週間ほどで完成した基板が届きました。
基板サイズは馴染みのある秋月C基板と同一にして、CDP-701ESのDAC化に必要なAPTLとAPTR、4066のデグリッチ制御に必要なDIG1とDIG2を出力できるようにしました。
ついでにCDP-101や501ES等にも使えるようにWCLKも出力できるようにしましたので、積分型DACなら何でも来い！って感じのとても素敵な基板になりました。
早速組み立ててみました。
いやー、楽しい！！
光コネクタのピンアサインを表裏逆にしてしまうという重大なミスがありましたが、ジャンパー飛ばしてクリア。
まー、毎回何かしらやらかすんですよね。でもこのくらいで済んで良かったですよ。
動作確認をするにあたって、思い切ってRIGOLのオシロを買っちゃいました！
新品のオシロなんて人生初ですわ。
12bit分解能で70MHzの4ch、使いきれないほどの機能がテンコ盛りの 「入門機」 が6万円！
円安なのに価格がバグってますよね。
BCK 、LRCK、APTL、APTRがキレイに出ています。
この安定した性能が基板に部品を乗せるだけで手に入るなんて・・・
基板化して大正解です！
それでは手始めに積分型DAC搭載モデルで動作確認です。
パイオニアのDA-1というモデルをDAC化してみました。
昔の、レーザーディスクが出始めた頃の、デジタルサウンドを再生するための外付けプロセッサですかね。
中身はCX20152を使ったノンオーバーサンプリングDACです。
要らん回路は全撤去して素敵なDAI基板を実装。
あっさり鳴りました。
いやー凄い。超カンタン！基板化サイコー！音もサイコーです！！
次はソニー版レーザーディスク、LasermaxのデジタルサウンドプロセッサーDSP-501です。
DA-1と機能的には同じでしょうかね。同じ積分型DACでもこちらは一歩進んでいてデジタルフィルターCX23034が搭載されています。
DAC～LPF回路はCDP-302ESと同じように見えます。
せっかくなのでディタルフィルターのCX23034を生かしたままDAC化してみました。
こちらも問題なく音が出ました。
音はちょっと軽めかな？カラっとしたあの雰囲気はCX23034そのものですね。懐かしくさえ感じます。
個人的にはDA-1のほうが好みかなぁ？なんて。
いやー、楽しいですね！
デジタルオーディオ遊びなんて、もうやらないだろうと思っていたのですが・・・
やっぱり、こういうの好きなんだなぁと再認識する事ができました。
準備完了。次はいよいよCDP-701ESに着手します！
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